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臨床腫瘍科

臨床腫瘍科設立のご案内

 日本人は、約2人に1人が生涯で「がん」にかかると推計されています。がん対策基本法が2006年6月に制定され、基本法に基づき「がん対策推進基本計画」が策定され、全国にがん診療連携拠点病院の整備や緩和ケア提供体制の強化、地域がん登録の充実が図られてきました。2012年6月には基本計画の見直しが行われました。これには施設間格差、放射線療法や化学療法についてもさらなる充実が必要であること等に加え、治療薬の進歩がもたらす負の面にも注意しなければなりません。既存の殺細胞性抗がん薬(アルキル化薬、白金製剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管作用抗がん薬)や内分泌療法薬、に加え、分子標的治療薬、小分子化合物(ALK阻害薬、CDK4/6阻害薬、mTOR阻害薬など)、血管新生にかかわる分子に対する抗体薬、オプジーボなど免疫チェックポイント阻害薬、など短期間で多種多様な新規抗がん薬が現れ、すべての薬が適正に使用されそれぞれの副作用に正しく対処する事が重要です。

 市立東大阪医療センターは高度専門医療に対応する臓器別がん診療体制を敷いてきましたが、臓器横断的な診療体制が必要と考えられ2018年にがん薬物療法を行う臨床腫瘍科を設立し、国指定の癌拠点病院の責務を果たしたいと考えています。専従医師としてがん薬物療法専門医を配置し、希少がんを含め多様ながん種に対する薬物療法に対応し、遺伝子パネル検査の積極的な実施により、患者様1人ごとの「がん」が発生した原因となった遺伝子変異を明らかにすることで、最適な薬剤を選択できるように努めております。多くの患者様は主に外来化学療法室で治療されており、2021年度は3,908名の利用がありました。また、当センターは中河内唯一の緩和ケア病棟を有し、多職種によるチーム医療を実践しています。がん専門薬剤師は抗がん薬の調製、治療スケジュールや副作用の管理など、がん薬物療法の見張り役です。臨床腫瘍科は、様々な部門と協力して、がん患者様が安心して高度な医療を受けられる環境作りを目指します。

臨床腫瘍科特別部長 富永修盛

医師紹介

特別部長
富永 修盛
 
日本外科学会認定 外科認定医・専門医
日本乳癌学会認定 乳腺認定医・専門医・指導医
日本大腸肛門病学会認定 大腸肛門病専門医・指導医
日本乳がん検診精度管理中央機構認定 検診マンモグラフィ読影認定医師
日本乳がん検診精度管理中央機構認定 乳がん検診超音波検査実施・判定医師
兵庫医科大学臨床教育教授
日本乳癌学会 評議員
近畿外科学会評議員
副部長
家出 清継
 
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医
日本外科学会認定 外科専門医
日本消化器外科学会認定 消化器外科専門医・指導医
日本消化器外科学会認定 消化器がん外科治療認定医
日本膵臓学会 認定指導医
日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医
麻酔科標榜医
7大学連携個別化がん医療実践者養成プラン 地域中核病院専門医療職養成(インテンシブ)コース修了

診療科紹介

外来化学療法センター

2018年4月から新たに専従医師を外来化学療法室に配属し、様々ながんに対応し総合的なアプローチを開始しています。
また、週1回ですが呼吸器内科医の応援を受け、多くの患者さんい治療を行う外来化学療法センターを設立しました。

外来化学療法室には6名の看護師を配置し、2023年度1年間で5,318名の利用がありました。さらに化学療法推進委員会で、新規の抗癌剤治療を迅速に採用・運営できるように務めております。
また、許可された免疫チェックポイント阻害剤は7種類に増加しましたが、従来の抗癌剤と副作用プロファイルが異なるため、多職種による副作用対策チームWISHを立ち上げ、救急外来での対応など教育プログラムを定期開催しています。

紹介写真

がんゲノム医療センター

当センターは、がんゲノム医療連携病院に指定されています。
臨床遺伝専門医、遺伝カウンセラー、遺伝子診療委員会を配備し、がんゲノム医療センターを設立しました。

2019年6月からがん遺伝子パネル検査が保険収載され、標準治療が終了したがん患者や希少がんの患者さんに保険診療で癌遺伝子パネルを検査を行っています。
現在、NCCオンコガイド・FoudationOne solid・FoundationOne liquidの3種類のがん遺伝子パネル検査を採用しています。
手術標本は最大で3年以内の標本しかパネル検査に使用できないため、検査時の採血で行えるFoundationOne liquidが有用です。
さらに、遺伝性乳癌卵巣癌に対する血液検査BRCA analysisも罹患患者には保険適応が可能です。